経営上でのこだわりは他にもありますか。
お客さまの数ですね。私は店長やスタッフに売上は追求しません。空席が目立つ場合や、お待ちいただいているお客さまの数が減ってくると理由を尋ねます。そこに、必ず何か原因があります。売上は客単価×客数です。客単価は下がっても上げる工夫はできます。しかし、お客さまの数を増やすのはとても難しいからです。
なるほど、ということは常連さんを増やすことが大切ですね。
はい、その通りです。私たちは、4回来店していただける店を目指しています。4回来店されると、常連さんになっていただけるからです。その為には、3回目の来店が鍵だと思っています。お客さまの来店パターンはこうです。初めて来店して、「美味しくて安い良い店だな」と思ったら、もう一度行ってみようと来店されます。3回目になると「あの店いいよ、一緒に行こう」と仲間を連れて来られます。その時、仲間の方が気に入っていただければ良いのですが、「ここより他にいい店あるよ」という話になると、もう4回目は無いのです。
3回目の壁を乗り越えるには何が大切なのでしょうか。
料理と接客の腕を上げることです。料理は、日替わりで入って来る旬の素材の魅力を、どう引き出すかが鍵です。メニュー作りから始まり、毎日料理人の技量が問われます。接客は、お客さまの気持ちをどう汲んで対応できるかです。同じお客さまでも、日によって気分が違いますよね。その気持ちをいかに察してサービスができるかが大切です。
スタッフの力量が大きいですね。力量を上げる為に必要なことは何でしょうか。
「お客さまに笑顔になってもらう」というたった一点に対する努力です。お客さまに笑顔になってもらうために何をすべきかを考え抜くこと。スタッフや社長という立場に関係なく、その想いが強い人が先頭に立てば常連さんが増え、必ず店は繁盛します。
具体的に実施されていることは何かありますか。
「ノーと言わない店作り」です。創業時から、メニューには無い料理のリクエストにも対応してきました。ときには食材のストックがなく、お客さまの要望に完全に応えることが難しい場合もあります。しかし、「お客さまに笑顔になってもらいたい」という気持ちさえあれば、別の形でリクエストをかなえる方法は考えられます。お客さまが私たちの店に期待しているのは、料理そのものだけではなく、そういったスタッフとのコミュニケーションでもあるのです。
スタッフに求めるものは何ですか。

まずは、目が生きていること、そして表情が明るいことです。自分のことに真剣になれる人、仕事に対して努力をすることのできる人の目は生きています。技術は教えれば後からいくらでもついて来ます。前向きな姿勢を持ってくれることが一番です。

それと、人が好きで働けることですね。人が好きな人は、人の情を大切にします。お客さまやスタッフの喜びを自分のものと考えることができるので、人としての成長が大きいのです。逆に、お金だけで働く人は悲しい人だなと思っています。

社員の待遇面で、他社と違う特長を教えて下さい。>>(2/3)

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